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クラシック・テイストを愉しむか、モダン・テイストで目立つか

クロノグラフ機能を搭載した腕時計が出現したのは1910年代。約100年前のことだ。初期のモデルは、ダイアルの9時位置にスモールセコンド、3時位置に30分積算計を配置。まさしく「2眼」だった。この配置にはワケがある。懐中時計クロノグラフの伝統的なムーブメントの構造を腕時計に転用したので、リュウズから積算計、スモールセコンドへと一直線に続く横並びになったのだ。それが1970年頃まで手巻きクロノグラフの標準仕様として受け継がれる。しかし、後に自動巻きが主流になると、12時間積算計を加えた3眼へと取って代わられた。

最近のレトロやヴィンテージの人気から時計界に復刻ブームが生まれ、その流れはクロノグラフにも及ぶ。脚光を浴びたのは、往年の2眼スタイルだ。ルーツとなる歴史的名品を忠実に再現したり、かつてのデザインから着想を得てヴィンテージ調に仕立てるなど工夫を凝らしたクロノグラフが時計好きをとりこにする。


逆に、歴史的なルーツを持たず、ノスタルジーとは無縁なのが極めて現代的なモデルだ。横並び2眼のインダイアル構成は共通するものの、一つのインダイアルが多機能というような凝った造りも少なくない。ダイアルが煩雑になりがちな3眼よりも余白に余裕がある2眼は、先端デザインやスケルトンにアレンジしやすいという利点もあるだろう。