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世代を超えて夢をつなぐオーデマ ピゲ ミュージアム

2018年にリニューアル予定のオーデマ ピゲ ミュージアム。その目玉になるであろう時計が、1899年に完成した「ユニヴェルセル」である。部品点数1168点、永久カレンダー、ミニッツリピーター・カリヨン、グラン&プチソヌリ、スプリットセコンドクロノグラフ、リセット機構付きの5分の1秒フドロワイヤント、デッドビートセコンドにアラームと、当時、実現可能な複雑機能をほとんど併載した本作は、グランドを超えたウルトラコンプリケーションであった。


 エボーシュを製造したのは、19世紀屈指の時計師として知られるルイ=エリゼ・ピゲ(1836〜1924年)。ルクルト


(現ジャガー・ルクルト)とのつながりが強かった彼だが、同じル・ブラッシュにあるオーデマ ピゲにも数多くのエボーシュを提供した。


 彼とオーデマ ピゲが手掛けた作品の中でも最も高名なのが、「グランディオーズ」「ファビュラス」、そして「ユニヴェルセル」の3部作であった。注文主は、グラスヒュッテのユニオン。誰が製作したかは伏せられたし、脱進機もユニオン・グラスヒュッテ式に改められたものの


(販売後、ユニオンは脱進機を替えてオーデマ ピゲに戻したという)、この3部作は、ほぼルイ=エリゼ・ピゲとオーデマ ピゲだけで作り上げたものだった。


 その歴史的価値を考えれば、グランディオーズとファビュラスが早くから博物館に収まったのは当然だろう。しかし、ユニヴェルセルは、ロンドン在住のマーカス・マーギュリーズ氏が所有するところとなった。ヴィンテージ オーデマ ピゲの収集家だった彼にとって、ユニヴェルセルは夢の時計だったのである。しかしx2016年、オーデマ ピゲはマーギュリーズ氏の「タイム・プロダクツ ヴィンテージコレクション」を購入。その中には、ウルトラコンプリケーションが含まれていた。