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SIHH2016見て歩き:ヴァシュロン・コンスタンタン

 

スイスで毎年発表される新作の多くが、いわゆる「イノベーション(革新)」を謳っている。取材者たちも、この「革新」という言葉に込められた作り手のコンセプトなり、メッセージを読み解くことから始めるわけだが、一般ユーザーが見てそれを見抜くことはなかなか難しいだろう。革新的なメカニズムについては、技術的な専門知識が不可欠になるし、「デザインがちょっと新しくなったかな」という印象を抱くのがせいぜいではなかろうか。

 さて、今年のSIHHにおけるさまざまな「革新」の中で、誰でも容易に理解でき、実際に着けて実感できる「革新」に出合った。それは、分かりやすさの点では、間違いなくナンバーワンの「革新」と呼べる。ヴァシュロン・コンスタンタンが「オーヴァーシーズ」のリニューアルに際して新たに導入した極めて実用的で、メンズの高級スポーツウォッチでは異例といえる画期的なベルト換装システムだ。

 ステンレススティール製の「オーヴァーシーズ」では、腕時計本体にメタルブレスレット、アリゲーターレザーストラップ、ラバーストラップの3本が最初からセットになっていて(ゴールド・モデルは2本セット)、それらを工具も使わずにワンタッチで付け替えられるように工夫されているのだ。同じように工具なしでワンタッチで付け替えられるバックル、そしてブレスレットのコマを手で微調整できる「イージーフィット・システム」も秀逸だ。実際にやってみて、なるほど良くできていると感心した。